まず私が働いていた会社では採用時に「生体管理職」か「販売員」かが選べます。
・生体管理職の場合 主な仕事内容は子犬や子猫の健康管理、食事の用意、爪切りやシャンプーなどです。1日の仕事の流れとしては、 ・早番 朝9時出勤→前日夜のご飯で使用した食器洗い→朝ごはんの用意→(特に体重の少ない極小生体は食事の前後に体重測定)→それぞれの体の大きさ、月齢に合った量でご飯をあげる→体重測定して体重が増えていない子にたいしてはシリンジで給餌→食器を洗い消毒液につける→生体管理表の順に全員の体重測定、投薬、爪や毛のお手入れ→昼ご飯の準備(朝と同じ流れ)→シャンプーや曜日によってはワクチンの接種→夜ご飯の準備→食後の投薬→18時退勤
・遅番 12時出勤→お部屋の掃除(段ボール製の簡易部屋。多いときには30頭近くいるので30頭分の部屋を掃除します。)→表のお部屋の掃除(お客さんから見えるお部屋。消毒液でを30分ほど漬けたあとお湯で流します。)→夜ご飯準備の補助(食器洗いや、なかなかご飯を食べない子に手からあげたりします。)→早番から夜の投薬を引き継ぎ→20時退勤
・販売員の場合 正直に言うとかなりひまです。お客さんが来ない限りほとんどやることがありません。表の掃除を手伝ったり、お客さんの目を惹くために表でブラッシングをしたり、SNS用に写真を撮ったりしています。 平日は暇ですが、休日やイベント前(クリスマスや夏休み)は人だらけになるので、本気で探しにきている人を逃さないようにひたすら声掛けをしてまずお客さんに犬や猫を抱かせます。休日になるとエリアマネージャーがカメラで接客の様子を監視しているので、頻繁に電話がかかってきます。「今のカップル接客長かったけどどうして帰っちゃったの?」「1番部屋の前にずっと家族連れがいたけどどうして声掛けなかったの?」など。販売員になると上からのこういった圧に耐えなきゃいけないので、向き不向きがかなりある仕事だと思います。
◆ラインIDでやりとりする~、とありますが、そのようなシステムを利用してお客とやり取りするのは業界では一般的なのですか?
そのシステムの名前は?
店舗ごとに管理しているスマホがあり、ラインのアカウントがあります。強制ではないですが、飼育に関して不安があるお客さんはラインでこまめに連絡が取れるようにしています。ペット業界共通かはわかりませんが、わたしの勤めていた会社では推奨していました。
・健康管理について
それぞれの生体に健康記録シートがあります。まずは体重を測ります。測り方は、大きめの測り(キッチンスケールのようなもの)に箱を置き、その中に生体を乗せます。基本は朝と夜の2回ですが、500g以下の特に小さい子は食事の前後にも測り、確実に体重が増えていることを確認します。
体温はお尻で測ります。
投薬は咳止め、整腸剤、目薬、点鼻薬などです。シロップの薬はシリンジで飲ませます。
・食事について
小さい子にはロイヤルカナンのカリカリをお湯でふやかしたものを、少し大きめの子にはふやかしとカリカリを混ぜてあげます。ごはんが嫌いで食べない子もよくいるのでその時は美味しい缶詰やチュールを混ぜたりします。
猫はロイヤルカナンのウェットフードです。同じように食べない子にはチュールを混ぜます。
・お手入れについて
爪切りは自宅でやるのと同じです。
シャンプーは、大きめの流し台があるので湯舟につからせるような形で洗います。乾かすときが大変で、ドライヤーとブラシを両手に持ちながら基本的には1人でやります。ドライヤーが嫌いで大暴れする子の場合は2人がかりで、1人がおやつやおもちゃで気を引きます。私はドライヤー時によくガブリとやられてケガをしていました。
プードルなどの場合は耳の中の毛も抜いてあげないと蒸れて皮膚炎になってしまうので、イヤーパウダーというものを振ってから太めのピンセットで抜いていました。
・お客さんの見定めについて
命を飼うことがどういうことかよく理解したうえで来る人と、「犬が飼いたいから」「猫が飼いたいから」と軽い気持ちで来る人は意外とよくわかります。 まず本気の人は質問がすごく多いです。ごはんは何あげれば、トイレはどう覚えたら、などの質問が誰でも聞けるし浮かぶことです。ありきたりな基本についてばかりではなくて、
「お花が好きで家の中にいろんな花を飾っているんですが全部撤去するべきですか?」
「家のすぐ近くに踏み切りがあってよく音が響くんですが猫のストレスになってしまいますか?」
「家の構造が吹き抜けになっているので猫が飛び降りてしまわないかが心配で・・・」
など実際に家で暮らすシミレーションをして事前に心配な点を話し合ってきたんだとわかる質問や、お店に来てからの病歴、噛み癖や吠え癖、ご飯の好き嫌いなどあえてその子の気がかりなことを聞いてくる人は信頼できます。私が実際に何度か接客して、本気の人は、犬や猫を抱いていても、スタッフに目を向ける時間が長いと感じました。かわいいかわいいと撫でたりするばかりではく、こちらに質問をする時間のほうが長いんです。
逆に軽い人は、気にする部分がお金のことがほとんどです。値下げできますか、支払い方法は何がありますか、今日すぐに連れて帰れますか、など自分本位の質問ばかりです。
売れれば誰でもいいわけではないですし、店長が結構突っ込む人だったのもあって、引き渡し後に不安がある人の場合は「月にお金はこれくらいかかります。」「年に1回ワクチン接種しなきゃダメです。」「小型犬でも散歩は行かなきゃダメです。」「この子の毛質なら定期的にトリミングも必要です。」「本当に全部問題ないですか?大丈夫ですね?」と少し責めてるようにも聞こえますが、このくらい念押ししていました。
ラインのIDを教えてもらってやり取りをするシステムもあったので、体重が増えているか、気にかかることはないかなど細かく連絡をしていました。まったく連絡をくれなくなる人もいれば、もっとちゃんと先に話を聞いておくべきだったとお店に直接来る人もいました。
◆クレームについて
※考えられるものをすべて列挙して解説してください。
※等があったと思いますが、どのようなものがありましたか?
「家に連れて帰ってきたらすぐに体調が悪くなった。体調が悪いのを隠して売ったんだろう?」というのはよくありました。
まだ小さいので環境が変われば体調を崩しやすいのであたたかくしてくださいというスタッフの説明をちゃんと聞いていない人が多くあとから文句を言ってくるパターンがよくありました。
クレームを入れてくるのはほとんどが初めて犬猫を飼う人でした。