プロサッカーチームのスケジュールはその全てが監督に委ねられています。
選手の疲労度やチームの状況などが総合的に判断され、ありとあらゆるスケジュールを監督が決定します。
中には負けが込んでしまったがために、喝を入れるために厳しいトレーニングを課す鬼監督もいます。
そんなプロサッカー選手の1日、1週間、1年のスケジュールについて解説します。
一週間のスケジュール
水曜日・土曜日に試合のある場合のシーズン中の一週間のスケジュールです。
日本でも海外でも週に1回か2回試合が行われますが、基本的な流れはほとんど変わりません。
※1週間に3回試合が行われることはプロサッカー界ではありません。
日曜日 |
回復系トレーニグ |
月曜日 | 午前:練習 |
火曜日 | 午前:練習 午後:敵地に移動 |
水曜日 | VS 試合(アウェイ) |
木曜日 | 回復系トレーニング(軽めのトレーニング) |
金曜日 | 午前:練習 |
土曜日 |
VS 試合(ホーム) |
日曜日 | 回復系トレーニング |
試合の後は基本的には回復系のトレーニングかオフになります。
ホームの場合は基本的に当日移動。
アウェイの場合は基本的に「前日入り」するため、練習後に新幹線や飛行機、バスで移動を行います。
一日のスケジュール
シーズン中の一日のスケジュールを紹介します。
基本的には午前に練習が始まり、お昼過ぎにはサッカー選手としての一日は終わります。
基本的に選手はクラブハウスの近くに居住している。
練習時間は短い場合だと1時間程度から長くても2時間程度。
大事な試合の前であったり、連敗が続いている時などは監督が時間を延長することもある。
若手選手ほど積極的に練習を行う傾向が強く、延々と練習してる選手も多い。
練習を見に来ているファンにファンサービスを行うことも。
※食堂がないチームは個人で。
パーソナルトレーニングや体のケアのためにジム・病院・整体などに向かう選手も多い。
シーズン中は基本的に2部練習は行われず、午前中からお昼にかけての1部練習がほとんど。
試合に影響が出ない程度の強度で練習が行われます。
午前中だけが練習となるケースが多く、午後からはゆっくりと静養している選手が多いようです。
元Jリーガーの那須大亮さんが1日のスケジュールをYou Tubeで公開されています。
朝食・昼食について
J1チームのクラブハウスには食堂が設置されており、練習後には栄養士管理の昼食をとって「練習終了」となるチームがほとんどです。
サッカー選手もアスリートですから、食事も含めて「練習・育成」と考えられています。
海外のクラブでは昼食だけでなく、朝の決められた時間に集合して全員での朝食を義務付けているチームもあります。
このあたりは海外と日本で微妙な違いがあります。
キャンプ中のスケジュール
ホテルで各々好きなことをして過ごす。
シーズン前のキャンプの場合は厳しいフィジカルトレーニングが行われるため、午前の練習・午後の練習と2部練習が多くなります。
サッカー選手の練習の中では、1年闘える体をつくるための「キャンプ」が一番きつい内容になります。
サッカー選手の1日の練習時間は
サッカー選手の1日の練習時間は、翌日、前日の試合の有無やホームゲームかアウェーゲームかによって大きく異なります。
普段は午前9時~11時など午前のみの練習を行うことが多く、1回の練習時間は試合時間に合わせて90分~2時間程度が基本です。
キャンプ期間中は2部練習が基本で、朝2時間、昼2時間の4時間程度の練習時間になります。
若手や練習熱心な選手は、練習後に居残り練習をする人もいます。
1回の練習時間が3時間を超えることはまずありません。
海外での練習時間
日本では2時間以内のトレーニングが基本ですが、海外では規格外のトレーニングを課す監督もいます。
マガト監督(ドイツ)
朝の6時から小学校の体育館集合させ、小学生用の小さい跳び箱跳躍、でんぐり返し、ロープを手だけで登らせるなど奇抜なトレーニングを行う。
チームの不調が続くと『明日行くから準備してこい』と森の中で緊急合宿を実施。
試合明けのリカバリーでも1時間走をみっちりと行い、ハードなトレーニングを常時課した。
リッピ監督(イタリア)
アスリート顔負けの長時間のフィジカルトレーニングをシーズン中にも行う。
デシャンやジダンなどからも苦情が多く出たが、選手のフィジカルが大きく改善し、結果として成績が向上した。
サッカー選手の1年 シーズンとオフシーズン
サッカー選手のシーズンとオフシーズンについて解説します。
1年を1月から12月までで区切る日本と、7月から翌年6月までで区切る海外(欧州)では大きな違いがあります。
日本の場合
日本の場合(Jリーグ)は2月の末にシーズンが始まり、12月にJリーグの日程が終了となります。
基本的には全日程終了後の12月からオフシーズンに入り、キャンプが始まる1月下旬からシーズンが始まります。
ただし、正月の元日に行われる天皇杯の決勝まで勝ち進んでいる場合は、1月の初旬までシーズンが続くことになります。
海外(欧州)の場合
海外の場合は日本とは日程が完全に異なり、8月・9月にシーズンが始まり5月に終了、6月からはオフシーズンとなります。
サッカー選手の忙しい時期は
日本のJリーガーの場合、シーズン中であれば常に一定の間隔で試合が組まれるため、大変だけれども特に忙しさを感じることは無いそうです。
精神的に一番忙しくなるのは、シーズン終了間際から翌シーズン開始までの間。
★移籍選手や新監督などチーム状況の変化
★自主トレやチームのキャンプ
監督交代によるチーム戦術の変更や、新たな外国人選手のライバル出現など、新シーズンに向けて普段とは違う気疲れがあるという選手が多いようです。
オフシーズン・休日の過ごし方
サッカー選手の休日
オフシーズン以外のリーグ戦開催中のサッカー選手の休日は不定期です。
基本的には試合の翌日に設定される事がほとんどですが、全ては監督の判断次第です。
チームの状態が悪く「休んでいる場合ではない」と監督が判断した場合、休日返上でトレーニングになることもあります。
休日の過ごし方
休日の過ごし方は人それぞれで、家族サービスをする人、趣味に時間を費やす人、ひたすらトレーニングをする人など千差万別です。
休日に過ごし方に関しては、一般人と大差はありません。
オフシーズンの過ごし方
オフシーズンは長い場合だと2ヶ月程度になりますが、その全てが休みにはなりません。
怠けた体でキャンプに参加すれば、あっという間に他の選手にポジションを奪われてしまうため、長い休みの間に落ちたフィジカルをキャンプが始まるまでに一定以上に仕上げておく必要があるのです。
サッカー界のレジェンド「三浦知良」選手がこんな事を発言していました。

サッカー選手には休みが1ヶ月あったとしても、休めるのは半分しかない。
なぜなら、その半月に落ちたフィジカルを取り戻すには半月のトレーニングが必要になるからだ。
50歳を超えても現役で活躍する秘訣は、このような突出したプロ意識にあるのかもしれません。