似顔絵師のなり方について解説します。
よく聞かれる質問に「似顔絵師には資格が必要なのか?」というものがありますが、大前提として似顔絵師として働くために資格は一切必要ありません。
このページを見れば、どのようにすれば似顔絵師になれるのかを知ることが出来ます。
似顔絵師になるには
似顔絵師になるには大きく分けて「似顔絵会社勤務」と「フリー」の2つのルート、働き方があります。
似顔絵会社
採用
研修
(似顔絵の練習・現場の実地研修など)
似顔絵師
似顔絵会社に入社を希望する場合、まずは自身の作品集であるポートフォリオを持って(郵送の場合もあり)面接を受けます。
※ポートフォリオとは作品集のこと。
会社側の求める能力に達していれば採用となり、足りていない場合は不採用となります。
採用側は基礎的な画力・デッサン力がどの程度にあるかをみていますが、絵師としてやっていける最低限の画力があるかが問われているだけで、画家クラスの高度なデッサン力が必要なわけではありません。
画力の基準は似顔絵会社次第ですが、ハイレベルな画力は求められません。
実際、絵の得意な素人が採用されることもよくあります。
また、似顔絵会社の中には研修や講座を開講しているところがあり、そちらで受講して「スキルを磨いてほしい」と言われる事もあります。
似顔絵会社はどのように探すのか
「似顔絵 会社」とインターネットで探せばすぐに見つかります。
その他ではハローワーク、SNSで検索したり、街の似顔絵師に話を聞くなどすると良いでしょう。
面接でみられること
面接では第一に「人となり」を確認されます。
中には絵の技術よりも重視している会社もあります。
・身だしなみは大丈夫か?
・笑顔が作れるのか?
いくら絵がうまくても、暗い雰囲気で下を向いているような人は絶対に採用されません。
研修
めでたく採用となれば、研修が行われます。
研修では書き方を一通り教えてもらい、後はひたすら似顔絵を描き続けます。
描いた似顔絵を先輩がチェックし、足りない部分・修正点を指摘してもらった後、またひたすら描き続けます。
スキルが上がるにつれて、鉛筆の下書き→ペン入れ→色塗りと段階を踏んで練習を続け、一定以上のレベルに達したと判断されれば、次は実地研修になります。※イベント型の場合
実地研修では先輩の横について、先輩のサポートを行います。
ある程度、仕事内容がつかめてきたら先輩の代わりに徐々にお客の似顔絵を描けるようになります。
1人でもこなしていく技量が身についたと判断されれば、研修は終了となります。
似顔絵の画力次第ですが、採用から研修が終わるまで、だいたい3ヶ月~4ヶ月程度は必要になります。
雇用形態
似顔絵会社に採用された場合、雇用形態は以下の3つのいずれかになります。
どの雇用形態になるかは会社の規定次第です。
正社員での採用、派遣社員としての採用、個人事業主でマネジメントだけの契約など様々です。
・派遣社員、契約社員
・正社員
似顔絵会社一覧
ブラックなところもあるので面接ではしっかりと聞くべき所(給料・雇用関係・シフトなど)は聞いておいた方が良いです。
フリーで活動
働く場所を確保
似顔絵師
似顔絵師として活動するために必要なものは、似顔絵を描く技術と出店する場所(又はインターネット)だけです。
そのため、やる気次第で似顔絵師になることは可能です。
上記の似顔絵会社で経験を積んでからフリーとして独立するのもよくあるケースです。
接客や場所交渉など似顔絵以外の知識も身につけることができるため、いきなりフリーで働くのと比較すると安定度が大きく違います。
似顔絵会社に所属している場合は会社が働く場所を確保しますが、フリーの場合はイベントやショッピングモールに出店させてもらう交渉が必要です。
お客がいない場所で待っていても売上を得ることはできません。
良い場所(人の多い売上の上がりやすい場所)を確保できるかどうかは似顔絵のスキルよりも重要になります。
インターネットでの販売
ランサーズやココナラ 、YOUTUBE、SNS、ホームページなどでアピールを行い、シンプルな似顔絵や結婚式のメッセージボードなどを販売して活動している似顔絵師もいます。
インターネットの場合は手数料が2割程度引かれたり、数を捌く事が難しいため主に副業の人が多いようです。
似顔絵師の学歴・学校
美術系・工業高校出身、美術系の専門学校、美術系大学出身者が中心です。
似顔絵会社での採用では、学歴による有利不利は特にありません。
美術系学校の人が多いです。
もちろん普通学校を卒業している人もいます。
美術系専門学校生が多い印象があります。
似顔絵師になりやすい進学先
美術系の大学・専門学校を中心に考えると良いでしょう。
似顔絵会社とフリー、どちらが良いのか?
似顔絵会社とフリーどちらを目指すべきか?という問題ですが、現役の似顔絵師さんに取材したところプロの似顔絵師として働きたいのなら「ベストのルートとしては似顔絵会社で経験を積み、その後にフリーとして活動する」、副業レベルで構わないのであればフリーでも全く問題ないという回答でした。
まずはそれぞれのメリットとデメリットを比較してみましょう。
研修があり、足りない部分を指摘してもらうなど技術向上できる機会がある。
◆先輩絵師に技術を教えてもらえる。
実際に先輩に指導してもらいながら経験を積むことができる。
◆仕事が一定以上あり収入が安定する。が給料は低い。
安定はしていますが、会社の取り分は概ね5割となっており給与水準は低くなります。
◆あくまでも会社員
一定以上の売上、決まった勤務時間働くことが求められるため、自由度は少ない。
場所代、必要経費以外はすべて収入になる。
仕事があれば割は良い。
◆場所の交渉など、未経験からでは困ることが数多くある。
場所交渉、クレーム客の対応などマニュアルがない。
個人なので立場が弱く、ぞんざいな扱いを受けやすい。
◆気ままに働くことができる。
最大のメリットではあるが、全て自己責任。
安定面で言えば、圧倒的に似顔絵会社です。
何よりも常に仕事があるというのは精神面の安定、技術向上に大きく寄与します。
絵の技術だけでなく、交渉事やトラブル、客とのコミュニケーションまで含めたものが似顔絵師の本当の能力です。
フリーの場合はそのあたりの知識をどのように身につけるかが成功の鍵になるでしょう。
未経験からでもなれるのか?絵のセンスは?
未経験からでも似顔絵師になることは十分に可能です。
何らかの絵の勉強をしてきた人が多数ですが、似顔絵に関しては素人からはじめる人がほとんどです。
また、美大や美術系学校出身以外の人でも似顔絵師として活動しているケースも多々あります。
練習を重ねることで、似顔絵はおろか、絵すらもまともに書けなかったような人でも一人前の似顔絵師に成長する事は可能です。
人物の特徴をうまく、時におもしろく表現する事が似顔絵の魅力です。
似顔絵師になるために絵のセンスが絶対的に必要な訳ではありません。
似顔絵はありのままを描くわけではないので、画家ほどデッサン力が求められる訳ではありません。※もちろん一定以上のデッサン力は必要。
むしろデフォルメ力が必要とされます。
似顔絵師の資格・スクール
講座や資格、スクールなど様々なものがありますが、似顔絵師として活動するために必要な資格はありません。
まったくの無資格で問題ありません。
また、様々な資格・講座類はすべてが民間資格で似顔絵師の国家資格はありません。
似顔絵師の資格
似顔絵師の資格には以下の2つがあります。
資格を取得していなくても似顔絵師にはなる事は可能で似顔絵検定の資格を取得していない人も多数います。
また、自身の腕試しに受ける人もいます。
似顔絵師のスクール
似顔絵会社が開いている講座から個人で開催しているスクール、似顔絵サークルなど、似顔絵の技術を学べるスクールは多く存在しています。
自身に合った所を選択すると良いでしょう。
一番なりやすいのは似顔絵会社が開講している講座ですが、他のスクール出身者でも絵のスキルがあれば、似顔絵師として活動することは十分に可能です。
「似顔絵をうまく描けること」が、最低限の基準となります。
年齢制限、男女比
似顔絵師になるための年齢制限はなく、なること自体はいつでも可能です。
ただし、似顔絵会社への入社を希望する場合は会社の採用基準次第になります。
現実問題として40代以上からの入社は難しくなります。※似顔絵会社次第
全体の印象としては声をかけられやすい若い世代の方が需要があり、売上も上がりやすいです。実際に似顔絵師として働く人の70%は女性です。
若い女性の人気が高いです。
あまりに高年齢の方だとお客側から声をかけにくいそうです。
絵師の雰囲気次第ですが。
プロ似顔絵師でも兼業、副業がほとんど
プロ似顔絵師でもフルタイムで働いている人は全体の3割程度。
インターネットで販売したり、土日だけイベントに参加したりと兼業や副業で働いている人がほとんどです。
フルタイムで働ける人は良い場所(イベントスペース)を確実に抑えてくれる似顔絵会社所属の人や営業力のある個人のみに限定されます。
統計データがあるわけではありませんが、概ね7割くらいはパートタイムか兼業(デザイナー・イラストレーター)です。
似顔絵師の離職率
何をもって高いとするかは難しいところですが、高い部類に入る職業です。
収入が安定しない、経験を積んでも増加しにくい事から、将来的な問題で趣味に近い形にしたり、仕事としては辞めてしまう人が少なくありません。
独り身であれば生活は可能ですが、家族がいる男性絵師の場合は色々と続けづらい職業ではあります。
似顔絵師に女性の割合が高いのも、そのような裏事情があります。
具体的になるためにどのように行動すればよいのか
似顔絵のうまさは「特徴」を抽出する力とそれを絵として表現する力です。
単純な絵のうまさとは異なるため、特殊な訓練が必要になります。
まずは独学でもスクールを利用しても良いので、画力を磨きましょう。
きれいな似顔絵で勝負するのか、面白味のある似顔絵にするのか、など、自身の方向性を決める必要もあります。
特徴のある面白い作品ほど需要があり、売上も高くなります。
一定以上のスキルに達したと思えば、どんどんと作品を公開して目指す進路へ行動していきましょう。
似顔絵会社を希望
何十枚かを描き上げた物をポートフォリオとして似顔絵会社に応募する。
フリーを希望
SNSなどで作品を公開する。
ランサーズやココナラで作品を公開し、仕事を請け負う。