イベントやショッピングモールなどでよく見かける「似顔絵師」
1枚あたり1000円や2000円、なおかつ短時間で描きあげている所を見ると「回数をこなせば、そこそこ儲かっているのでは?」と考えている人も少なくないかもしれません。
結論から言えば「儲かる」職業ではないのですが、、そんな似顔絵師の収入状況について解説します。
似顔絵師の年収・給料
まず大前提として、似顔絵師には2つの働き方があります。
大道芸人のように似顔絵師はほとんどの人がフリーで活動していると認識している人が多いと思いますが、実際には似顔絵会社で会社員として働いている人も多くいます。
2.フリーで働く人
似顔絵会社社員として働く場合
会社から指定の給与が支払われます。
給与の形態は以下の3つがあり、どの制度を採用するかは会社次第です。
・歩合+基本給
・固定給
ほとんどのケースでは完全歩合制か歩合+基本給で、固定給を採用している似顔絵会社はあまりありません。
似顔絵会社社員の場合
会社の規定・景気次第です。
ショッピングモールなど人気のあるスポットを多く抑えている会社ならば、安定した売上が期待できるため、給料も高くなります。
ただ、そのように恵まれた会社は少なく、印象としては一般的なサラリーマンの年収よりも若干少ないことが多いようです。※取材者談
売上が出せる人は優遇されることも
売れていない絵師と売れている絵師で取り分のパーセンテージに差をつけている会社もあります。
売れている人ほど手取りが多くなるように優遇されます。
フリーで働く場合
個人で出店して営業を行います。
この場合は基本給がでることはなく完全歩合制になります。
フリーの場合
働く日数や状況にも左右されますが、フリーの似顔絵師として活動している人の平均年収は200万円から300万円程度だと思われます。
※取材者談。
多くの似顔絵師は他の仕事(イラストレーター・デザイナー、講師など)をもちながら兼業として活動しており、ほとんどの人は似顔絵師と本業の合算で生活をしています。
年収1000万円は可能なのか
何らかの商品のデザインに使用されたり、コラボされたりというような事があれば年収1000万円を超えることも可能です。
ただ、現実問題として似顔絵だけを描いて年収1000万円というのはほぼ不可能だと思われます。
忙しい現場に頻繁に出てスキルが高い人なら月収100万円、年収1000万円を超える人もいます。
ただ、それは本当にレアケースで普通に描いている分には年収500万円程度が精一杯でしょう。
仕事内容による収入状況
ショッピングモールなどでの席描き似顔絵の相場
ショッピングモール等での席描き似顔絵の相場は、2500円から2000円程度が一般的です。
※色紙カラー(白黒有り)1人あたり
その金額から似顔絵師の取り分は50%が多く、描く人数に応じてのその日の日給が決まります。※似顔絵会社の場合
日給で1万円を超えようとするなら10枚(10人)の似顔絵を描き上げる必要があります。
一般的な出張似顔絵の料金
住宅展示場イベントや結婚式、保険会社お客様感謝祭等などでの報酬は約5万円程度が平均的です(材料費を含む)
報酬とは別に交通費(似顔絵師が公共の交通機関を利用、会場までの往復)も支払われます。
1日あたり実働5時間前後(休憩時間入れて+数時間位滞在)が多く、描く人数はモノクロだと30人程度、カラーだと20人程度が目安になります。
報酬の目安はありますが、金額は各社の基準次第です。
似顔絵師個人とイベント主催者との直契約の場合は会社契約よりも少ない半額以下での契約になる事もあります。
一日の売上
売上が良い時は単価2000円で1日に50枚描きあげて、総額10万円以上の売上になることもあります。
逆にまったくお客が来ない場合は0円になることも。
ちなみに規定の売上以下だった場合は基本給が支払われる似顔絵会社であっても、ペナルティとして無報酬になることもあります。
また、何日も売上が立てられなかった場合は不適性として会社からクビを宣告される場合もあります。
お客が少なく売上が少ない事はままあります。
ただし、それが何日も続くようなケースは絵師に問題がある場合が多く、不適性ということでクビになることも。
そういう場合は絵師にやる気が無いことが多いですね。
男女の収入差
似顔絵師の収入に大きな性差はありません。
ただ、客商売ですから若干、女性の方がお客さんを獲得しやすい側面はあります。
女性の方が声をかけやすく、かけられやすいです。
じっと客待ちをしていると男性の絵師さんは怖がられる事もありますね。
全体の男女比も7割方が女性です。