似顔絵師の仕事内容を紹介します。
働く場所や道具、フリーと会社所属の違いなど詳細に解説しています。
似顔絵師の仕事
似顔絵師の席描きイベント時とフリーの仕事内容について解説します。
基本的には準備をして似顔絵を描きあげて終了、という一連の流れを繰り返す作業になります。
準備
準備として、用紙とペン、見本、描く机などを用意します。
似顔絵を描く紙
◆色紙(一般的)
◆各似顔絵師の好みの画風に応じての紙
◆画用紙
いずれかの画材の併用が多い。
ペン
◆コピック(マジック)
◆筆ペン
◆水彩絵具
◆アクリル絵具
◆墨
◆パステル(硬いのから柔らかいの、パステルペンシル、パンパステル等)
◆鉛筆、色鉛筆
◆コンテ
画風などによって使用するペンは変わります。
その他
◆似顔絵作品見本、見本を並べるイーゼルなど
◆値段表
◆他広報関係のチラシ、ポスター
◆名刺
◆似顔絵師自身のプロフィール
◆台(仕事机は大体は準備してもらえる)
◆机の上に掛ける布
実際の似顔絵制作(席描き)
上記の道具を設置して、お客を待ちます。
待合時の空き時間もデモンストレーション的に似顔絵を描いている事がほとんどです。
お客が多い時には先着順に順番表(ファミレスの順番表のような紙)に名前を書いて待ってもらう事もあります。
お客が来た時
イメージを聞き出して、見本の中から希望する画風を選んでもらいます。
イメージが固まったら対面の椅子に座ってもらい、似顔絵を描きはじめます。
描いている最中も軽く雑談をしながら、素早く丁寧に仕上げます。
写真からの似顔絵
お客が写真での似顔絵を希望の場合は写真を撮影させもらったり、用意された写真を預かって描く事もあります。
何らかの事情で動けない場合(故人、サプライズプレゼント、赤ちゃん、じっとしていられない幼いお子様、写真で描いてもらう間、買い物していたい、など)も写真から制作する事もあります。
写真から描く場合は難易度が上がるため、似顔絵代金を高くする絵師もいます。
※対面と同じ金額の場合もある。
写真と生身の人間ではどちらが難しい?
写真からは1枚、1回の情報しか得られません。
薄い特徴しか掴み切れずに、描き上げた後で「あんまり似ていない、、」と言われることもまれにあります。
その人の持つ雰囲気や動きも特徴のひとつになるため、生身の人間の方が段違いに描きやすくなります。
そもそも写真自体、その人の印象を掴めているかも定かではない。
同じ人でも写真の角度やタイミングによっては美人がブサイクに、暗そうな人が明るく写っている事があると思います。
一枚あたりどのくらいで描き上げるのか
依頼を受けて対面で描き上げる場合、10分から20分程度で仕上げます。
売上を上げるために数をこなさなくてはならないというのもありますが、1人のお客さんを20分以上もじっとさせておくことは出来ません。
似ていないのも駄目、遅いのも駄目、つまりクオリティとスピードの最大公約数を目指す描き方が最善とされます。
長く待たせるとイライラしだす人もいるので、早く丁寧に描き上げる必要があります。
10年戦士の熟練者ともなると本当に手が早くて、迷いもなくスイスイと仕上げます。
どういう場所で似顔絵を描くのか
だいたいは人が集まるショッピングセンターや都市部が似顔絵師の仕事場になります。
【場所】
◆ショッピングセンター・スーパー
◆住宅展示場イベント
◆観光名所(東京タワー、京都の寺院など)
◆結婚式
◆保険会社お客様感謝祭
◆お祭り
別の仕事を依頼されることも
出店中にウエディングボードなど、手間のかかる高単価の仕事を別口で受けることもあります。
その場合は出店後にお客様と連絡し合い、作品を仕上げて郵送でお届けします。
ただし、外部で出会ったお客と個人的にやり取りすることを認めていない似顔絵会社もあり、対応は会社毎に異なります。
※独立を防止したり、トラブルを回避するため。
地域によって好まれる画風は異なる
食べ物でも関西風と関東風があるように、似顔絵にも地域によって人気のある画風があります。
関東(東京)
カリカチュアなどのデフォルメを強くした面白系の似顔絵。
※カリカチュアとは人物の性格や特徴を際立たせるために誇張や歪曲を施した人物画。
中部(名古屋)
水彩画風が人気。
関西(大阪)
勘亭流の書風的な似顔絵が好まれます。
江戸時代的な印象。
フリーの場合
フリーの場合は状況によって様々ですが、平日は請負の仕事やインターネットでの仕事、土日祝はイベントやショッピングセンターで似顔絵描きの仕事をすることが多いかもしれません。
毎日現場に出る人もいれば、ほぼ在宅に近い形をとる人もいます。
どういうスタイルを選択するかは、完全に絵師の考え方次第です。
フリーは集客が必要
フリーの場合は自身で仕事を獲得する必要があります。
希望するイベント主催者、施設との交渉が不可欠で「描かせてくれ」と言って簡単に出店できるものではありません。
仕事を得るために、SNS・ブログを運営したり、ココナラ等のWebサイトで募集をするなどして集客している似顔絵師もいます。
仕事が自動的に与えられる似顔絵会社とは大きな違いがあります。
似顔絵会社所属の場合
似顔絵会社所属の場合、基本的には会社が確保している現場に出勤して、似顔絵の販売を行います。
似顔絵会社は出店する場所をいくつか保持しており、絵師はローテーションを組む形でそれぞれの現場に派遣されます。
また、その合間に会社が獲得した案件や個人の仕事を会社や自宅で描きあげることもあります。このあたりは会社の状況次第です。
教える仕事
似顔絵講師としてオンラインスクールを運営したり、生徒を集めて講座を開講する人もいます。
マイナーな印象のある似顔絵師ですが、最近は副業人気が高まっているためか、意外と受講生が集まるそうです。