このページでは消防職員、消防士、消防官、消防吏員、消防団員の違いについて解説します。
このページを全で読めば、それぞれの特徴と意味を完全理解することができます。
消防職員、消防士、消防官、消防吏員、消防団員の違い
まずはこの表を御覧ください。
それぞれの関係性を明瞭に図表化しており、それぞれの立場がわかりやすいと思います。
消防職員とは
消防職員とは消防で働く全体を指す言葉で、全ての人が地方公務員です。
事務職など現場に出ていない職員も含みます。
消防吏員(しょうぼうりいん)とは
消防吏員とは消防職員の内で、消火・救急・救助・査察などの業務を行う者の事を言います。
いわゆる現場で救急活動や消火活動を行う職員の事です。
この消防吏員が世間一般の「消防士」と同じ意味合いになります。
消防士とは
消防士とは正式には消防職員の中で、消火・救急・救助・査察などの業務を行う消防吏員の10階級中最下位の階級のみを指します。
2.消防司監
3.消防正監
4.消防監
5.消防司令長
6.消防司令
7.消防司令補
8.消防士長
9.消防副士長
10.消防士
厳密には誤用にあたりますが、現在ではこの1階級名が現場の消防職員全体を表現する言葉として普及しています。
消防官とは
世間一般では、消防士と消防官を混同して使用されていますが、実は消防官という言葉は正式名称ではなく俗称でしかありません。
消防吏員の階級に消防官という階級は無く、消防官という言葉も正式には存在してません。
正確な発生原因は不明なのですが、警察官や自衛官、検察官など公的な職業には「官」が使用される事から、その影響を受けて「消防官」と呼ばれるようになったようです。
正式名称ではありませんが、あまりにも「消防官」が消防吏員の意味として認知されすぎているため、消防吏員採用試験を「消防官採用試験」としている自治体もあります。
※東京消防庁など
消防団・消防団員とは
消防団は消防署の常勤消防職員とは異なり、火災や大規模災害発生時に自宅や職場から現場へ駆けつけ、その地域での経験を活かした消火活動・救助活動を行う、非常勤特別職の地方公務員です。
消防団員は専業ではなく、普段はサラリーマンや公務員、主婦など他の仕事をしている人がほとんどです。
緊急の時だけ出動する、地域特化型の兼業消防士とイメージすれば理解しやすいかもしれません。
都市部ではあまり消防団の活動はありません。
消防網の薄い地方ほど存在意義が高く、消防団の活動が活発に行われています。
消防団員になるには
自身の居住地域にある消防団に問い合わせれば良いでしょう。
どこも基本的には人手不足の傾向があるため、やる気さえあれば入団はしやすくなっています。
女性でも問題なくなることは可能です。
消防団はどのような状況で活動するのか?
例えば、過疎に近い地域の場合、火災や災害が発生しても消防網が張り巡らされている都市部ほど早く消防車を到着させることができません。
消防団はそのタイムロスを埋めるべく、現場に近い地域の団員がいち早く消火や救助活動を行います。
消防団の報酬は?
消防団員の報酬は市区町村の対応次第ですが、年間に数万円程度が支給されています。
金額としてはほとんどボランティアに近い数字ですが、金銭面よりも地域の安全を考えて活動している人がほとんどです。
団長 | 8万2500円 |
団員 | 3万6500円 |
出動手当(1回) | 7000円 |
※総務省発表