どんな仕事にもあるように、脚本家業界でもトラブルは発生します。
トラブルの殆どは「金」の問題ですが、見解の相違など脚本家特有の問題も存在しています。
このページでは、脚本家業界の代表的なトラブル例を紹介します。
金銭的なトラブル
脚本家以外でも、テレビや映画、演劇界では金銭的なトラブルは結構な確率で発生します。
「契約書を作成しない」という悪しき習慣がその根幹にあるからとも言えますが、過去から現在に至るまで改善の兆しは見られません。
脚本料・プロット料の未払い
・プロット料が脚本料とコミコミになっている。
・事前の脚本料と金額が異なる。
など、支払われるべきものが支払われなかったり、少なかったりという話は、この業界には数え切れないほどあります。
報酬について最初に提示してくれるプロデューサーほど有能で信頼できる傾向にあり、そのような人物との縁は大事にしておいたほうが良いでしょう。
逆に、あやふやなまま話を勧めてくるような人物には注意が必要です。
プロデューサーから仕事を「頂く」脚本家の立場上、強くは言えないからこそ発生しやすいトラブルです。
再放送料・印税の未払い
・印税が支払われない。
再放送料や印税が支払われないという出来事もよくあるトラブルのひとつです。
脚本家は個人で活動している人も多いため、著作権管理があやふやになりがちです。
※日本脚本家連盟のような著作権管理団体もある。
原因は自身の不手際から、他者の悪意のあるものまで様々です。
◆連絡がつかなかった
◆制作会社が懐に入れていた
◆関係者が持ち逃げしていた
脚本に関するトラブル
プロデューサーや現場と揉める
脚本家は作品としての質を、テレビ局側は視聴率を重視する傾向があります。
お互いの立場として当然の事なのですが、脚本家とテレビ局側の意見が決定的に異なってしまう時があります。
その結果、脚本をめぐって喧嘩になり、最悪のケースでは演じている俳優や監督、脚本家が降板してしまう事もあります。

意見の衝突は当然あります。
ただ、テレビ局側が圧倒的に強者となるため、どこで折り合いをつけるかが勝負になります。
大御所脚本家の場合は話が異なり、現場の人間が交代させられる事もあります。
現場の出演者が揉める
現場には作品に人生をかけている人たちがたくさんいます。
そのため、演技の方針や個人的な好き嫌いで役者同士が衝突してしまい、大きなトラブルに発展してしまうこともあります。
「あの俳優とは一緒に出演しないようにしてください」など、無理難題を吹っかけられ、やむなく脚本変更に対応することも。
脚本が勝手に変更される
「脚本上では問題がなかったものでも、いざ現場で試してみると違和感があった」という事は間々あります。
本来ならば脚本家の了承を得て変更するのが筋ですが、そのような連絡も無しに事後報告される事があります。
脚本家のクレジットを出している以上、他人の変更でもその脚本家の作品として世に発表されてしまう事になり、釈然としない後味が残る事になります。
変更の程度にもよりますが、よくあるトラブルのひとつです。

現場の空気感は書いている時には掴みきれないので、監督の判断で変更されるのはある程度は仕方ないと思います。
ただ、無断で大きく変更をされていた時には何とも言えない気持ちになることも。
原作者との意見が合わない
現在、テレビや映画業界では0からの制作は減少傾向で、人気原作をもとにした作品が多く制作されるようになっています。
0からヒットするかどうかわからないものを制作するよりも、一定人気のある漫画や小説を題材にした方が計算しやすいからで、自然な流れといえます。
ただし、脚本家としてはなかなか大変で原作のイメージを壊さないまま脚本を仕上げなければいけません。
プロットと脚本制作の途中で逐一原作者に確認を行うのですが、
「こんな発言はしない」
「イメージと違うからこのシーンを変更して欲しい」
など、強いこだわりを持つ原作者ほど脚本に意見を出してきます。
原作者として当然といえば当然なのですが、時にそのこだわりが強い人がいて、何度もNGを出されるなどトラブルになることがあります。

書き直しても駄目、書き直しても駄目!
原作者がこだわりの強い人だと苦労します。
知らないところで2次利用、3次利用されていた
「誰かが勝手に原作として演劇やアニメに利用していた」
というのもよくあるトラブルのひとつです。
本来ならば、適切な使用料金を支払って上演や放送をすべきですが、そのような手続きを経ずに勝手に作品を使用する人もいます。
YouTube動画や同人誌への利用が代表的な例といえます。
ただ、ある意味ではその作品をリスペクトしているという事でもあり、裁判沙汰のような大事になることはあまりありません。

現在のところは勝手な2次利用を知ってはいても見逃している人が多いのではないでしょうか。
小劇団に元ネタとして利用された事もありますが、劇団も脚本家も近い職業で苦労は知っているので、逆に頑張ってほしいなという思いでした。