脚本家のほとんどは個人で活動していますが、業務の特性上、会社に所属していないくても仕事自体に特に問題となることはありません。
ただし、報酬や権利関係のトラブルが発生した場合は話が異なります。
個人でトラブルを解決することは費用と手間がかかり、トラブルの相手がテレビ局や制作会社ともなるとかなり分の悪い闘いに挑むことになります。
そのような立場の弱い脚本家や作家のために、著作権管理や金銭問題サポートなどを行う団体がいくつか存在しています。
所属するかしないかは個人の自由ですが、ある程度の水準になると加入する人が多いようです。
脚本家を目指すなら知っておいた方が良いでしょう。
団体一覧
日本脚本家連盟
放送番組の脚本を執筆している作家の社会生活を擁護し、その経済的地位の向上をはかる目的をもって作家たち自身の手により、協同組合として設立。
日本最大の脚本家団体。所属人数は約1500名。
http://www.writersguild.or.jp/
日本シナリオ作家協会
フリーの立場で仕事をするシナリオ作家の孤立化を防ぎ、日本映画の発展及び創作の気運を高めていくこと、著作権思想の普及に尽力し、次代の作家の育成や創作現場の条件整備、交流機会の増進等に係る諸活動を行っている。
シナリオの著作権擁護やシナリオコンクールも実施している。
https://www.j-writersguild.org/
日本放送作家協会
ラジオ・テレビ等、放送メディアで活動する放送作家の団体。
放送文化の向上に資することを目的としている。
720人の放送作家が所属。※2020年
日本劇作家協会
正会員はプロ、アマ、経歴、国籍などを問わず、すべての劇作家に入会の資格がある。(2020年現在、会員数は約570名)
文芸美術国民健康保険への加入も可能

トラブル解決以外のメリットとして、日本脚本家連盟、日本シナリオ作家協会に所属している場合は、文芸美術国民健康保険への加入できるメリットもあります。
文芸美術国民健康保険
文芸美術国民健康保険とは「文芸・美術及び著作活動に従事し、組合加盟の各団体の会員である方とその家族」が加入できる健康保険のことで、一般の国民健康保険よりも大幅に保険料が安くなることがあります。
噛み砕いて言えば、脚本家やデザイナー、カメラマンなど美術系のフリーランスが加入できる健康保険です。
国民健康保険と文芸美術国民健康保険の大きな違いは、収入に応じて健康保険料が高くなる国民健康保険に対して、文芸美術国民健康保険は保険料が常に一律(19900円 ※令和2年)に規定されていることです。
文芸美術国民健康保険 |
常に月1万9900円 ※令和2年 |
国民健康保険 |
収入に応じて増加 最大 月7万円程度 |
特に年収が400万円を超える、そこそこ売れてきた脚本家であれば、大幅な費用節約が可能になります。
逆に年収が200万円以下であれば国民健康保険の方が保険料は安くなります。
「昨年の年収は1500万円を超えたが、今年は500万円あるかどうか」という話も業界ではよくある話です。
文芸美術国民健康保険への加入は収入の増減が激しい脚本家にとっては大きなメリットと言えるでしょう。