実際に郵便配達員として働いている現役職員に取材を行い、郵便配達員の収入事情を調査いたしました。
かつては公務員であった郵便配達員ですが、現在では民間会社となっており、給与体系も民間に近い水準になっています。
郵便配達員の給料・年収
郵便配達員の月収・年収です。
正社員(正規)と期間雇用社員(非正規)の職員がいますが、それぞれの給料・年収は以下ような水準になっています。
正社員の場合
1年目 月給約20万円 年収300万円程度(一般)
8年目 月給約25万円 年収400万円程度(主任)
経験を積み、役職が上がる度に昇給していきます。
以下は日本郵便の親会社である日本郵政の平均年収です。
配達員の平均年収ではありませんが、参考になるでしょう。
年 | 従業員数 | 平均年齢 | 勤続年数 | 年収 |
---|---|---|---|---|
2018年 | 2422人 | 43.5歳 | 16.6年 | 760万7000円 |
2017年 | 2761人 | 43.3歳 | 16.3年 | 769万2000円 |
2016年 | 2886人 | 43.5歳 | 16.4年 | 775万2000円 |
担当部署や手当などによっても月給・総収入が増減します。
※地域・残業量によっても差があります。
配達員に限定すると、40歳なら役職にもよりますが年収500万円程度かと思います。
正社員の初任給
総合職 | 修士了 246960円 大学卒 238000円 |
地域基幹職・エリア基幹職 |
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一般職 |
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非正規社員(ゆうメイト・アルバイト・期間雇用社員)の場合
期間雇用社員は時給制です。
最初は時給1000円程度から始まり、経験を積むにつれて徐々に昇給があります。
時給の目安はその地域の最低賃金より少し高い程度。
長く期間雇用社員として働いている配達員になると時給が1500円を超える事もあります。
新人の期間雇用社員(ゆうメイト)であれば、年収は200万円から300万円程度になります。
時給が1500円を超えるベテラン配達員であれば、年収は400万円を超えます。
求人サイトでリサーチした時給の最高は1680円の大阪の郵便局でした。
最低賃金の高い東京であれば、この数字よりも高い時給が支給されていると予想されます。
期間雇用社員の方とお金の話はしないので、最高時給はわかりません。
※正社員の方が高いのは明白。良い気持ちはしないとの思いから。
郵便配達員のボーナス・賞与
郵便配達員にもボーナスはあります。
正社員
支給金額は一般企業と同様に年2回で年間で4ヶ月程度支給されています。
また、ボーナスの金額は人事評価の査定によって変わります。
通常のボーナス以外に年度末にプチボーナス(数万程度)が出ることもあります。
※支給は状況次第。
非正規社員(ゆうメイト・アルバイト・期間雇用社員)
年間で数万円程度。
正社員と非正規社員ではボーナスに大きな差が設定されています。
残業代について
残業代は満額払われています。
残業前に超勤命令があり、役職者が出勤管理システムで退社時間の変更を行います。
もし、その時間までに仕事が終わらない場合は追加で変更が行われます。
各種手当
◆通勤手当
公共交通機関は全額、自家用車は数割。
◆住居手当
賃貸は金額に応じて最大27000円。
正社員は格安の社宅利用ができる。
◆地域手当
東京などの都市圏。地域によって金額は異なる。
参考:神奈川県川崎市川崎区は基本給の1割。
◆超過勤務手当
超過勤務に応じて全員支給。
繁忙期は10万超えることも。
◆扶養手当
子どもの人数などに応じて支給。
◆寒冷地手当
寒い地域に支給される特別手当。
◆バイク業務に関する危険手当
月額:1~3万程度。
◆引越手当
転勤に伴う手当。
移動距離に応じて数万円程度。
◆その他
・労働組合に入っていると、結婚や出産、お悔やみ等で特別手当て(3~5万)が出ます(
・業績が良いと全員に数万の年度末手当。※ある年とない年がある。
※それぞれの金額は地域や状況により異なる
期間雇用社員の場合
期間雇用社員の各種手当ては支給されるもの、されないもの様々です。
通勤手当や超過勤務手当などは支給されますが、正社員と比較すると支給されない手当の方が多いのが実情です。
郵便配達員で年収1000万円は可能なのか?
郵便配達員ではまず難しいでしょう。
年収1000万円ともなると、総合職のエリートか局の役職者でないと不可能です。
収入の男女差はあるのか?
配達員である限り、収入に男女差は設定されていません。
女性の場合、育児休業等で休職中するケースが多いため、その間に昇給が止まり、結果として男性との差ができてしまう事もありますが、同等に仕事をしていた場合は性差による収入差はありません。
最近では女性の役職者育成に力を入れており、女性会議や女性フォーラム等も開催されています。
女性が続けるには体力的な問題はありますが、給与面ではフラットな職業と言えます。
福利厚生について
社員専用の福利厚生サイトがあり、そこにログインするとさまざまなサービスを受ける事ができます。(例:ホテル、観光地、レンタカー、引っ越し、映画館等)
一般的な企業並みの福利厚生はあると考えて良いでしょう。
社宅が充実
社宅の規格は以下のように分かれています。
B:小世帯用
C:大世帯用(扶養家族2人以上)
使用料金は首都圏でAが5000円程度、Bが20000円弱とかなり格安な料金設定です。
※地域・状況による
リフォームしたばかりでオール電化の社宅もあれば、築年数50年以上でボイラーのないような古いものまで、社宅のクオリティに関してはさまざまです。
職場から社宅申請をし、JP社宅センターと相談の後、決定します。
何かと制限が多いようです。
有能な配達員ほど給料が少なくなる
有能な配達員であればあるほど地域の特性を理解しているため、素早く配達を終わらすことができます。
ただ、常に定時に仕事を終えられるほどの実力者になると、必然的に残業代が支給されず、能力の低い人ほど残業代によって収入が高くなるという矛盾が発生します。
同様の仕事量をこなしておきながら、能力の低い人ほど収入が増えるという少し奇妙な現象ですが、配達員は仕方ないと考えているそうです。
こればかりは仕方ないですね。