2018/09/072023/05/28なるには

【警察官の階級】巡査から警視総監までその全てを完全解説

このページを見れば警察官の階級のすべてが分かります。

 

警察官の階級について

警察官の階級図

警察官の階級は巡査から警視総監まで9つの階級で形成されています。

下から、巡査→巡査部長→警部補→警部→警視→警視正→警視長→警視監→警視総監

巡査と巡査部長の間に巡査長という階級がありますが、これは正式階級ではない名誉階級で勤務態度の良好な人物に与えられるものです。

経験豊富ではあるものの、昇進試験に受からなかったり、昇進試験自体を受けない人物に与えられます。

ちなみに、巡査長となると名誉階級であるものの、俸給が上がり巡査よりも給料が増額支給されます。

【巡査】

キャリア組を除く警察官は全てここからスタート。
一番、最初の階級。

【巡査長】

実際の警察の階級ではない。
長く警察職に勤務していながら、昇進できなかったり、昇進しない道を選んだ人に与えられる呼称階級。

【巡査部長】

上司である警部や警部補を補佐し、新任警察官の指導などを行う。

【警部補】

キャリア採用の場合はこの階級からスタート。
現場では交番所長など、リーダー職を任せられる。
巡査から警部補までの階級で警察官全体の約9割を占める。
一般的に市民と触れあう機会のある警察官はほとんどが警部補以下の階級。

【警部】

昇任試験で昇級できるのはここまで。
警部以上は実務経験などをもとに選考される。

【警視】

警察庁の課長補佐・当道府県警課長クラス。
ノンキャリアの警察官にとってはほぼ最高の出世階級。

【警視正】

警視正以上は都道府県警察採用者であったとしても、「地方警務官」と呼ばれる国家公務員となる。

【警視長】

警察庁の課長・都道府県警の部長クラス。

【警視監】

38人という定員が定められている。
いわば次代の警察トップ候補集団で、この中から警視総監や警察庁長官が選任される。
警察庁の局長クラスや都道府県警本部長クラス。

【警視総監】

警視庁のトップ。
立場としては東京都の警察トップであるが、実際には警察階級・警察のトップという位置づけ。

【警察庁長官】

警察を監督する警察庁の長官。
立場としては警察組織の中で一番上。
警察庁のトップであり、警察階級には含まれない。

警察庁採用と都道府県採用で階級に違いはなし

警察庁(国家公務員)であっても、都道府県警察(都道府県採用の地方公務員)であっても階級に違いはありません。

また、警視正以上の階級は全て国家公務員となります。

都道府県警察に採用された場合、地方公務員としての身分になりますが、警視正まで出世した場合は国家公務員としての身分・待遇になります。

階級と役職との関係

警察組織にも一般企業と同様に役職が存在しています。
9つ存在している警察階級ですが、この階級は役職と密接な関係があります。
※役職とは課長や部長、係長などのこと

階級 警察庁 警視庁 県警本部(大規模) 県警本部(小規模) 警察署(大規模) 警察署(小規模)
  警察庁長官          
警視総監   警視総監        
警視監 次長、局長、審議官、警察大学校長 副総裁・部長

本部長

     
警視長 課長 部長 部長 本部長    
警視正 室長、理事官 参事官・課長

部長

部長 署長  
警視 課長補佐 課長・管理官 課長 課長 副署長 署長
警部 係長 係長 課長補佐 課長補佐 課長

課長

警部補 主任 主任 係長 係長 係長

係長

巡査部長 主任 主任 主任 主任
巡査  

その関係は警察としての規模などによってそれぞれに特徴があり、主に上記の様な対照性をもっています。

例えば「警視」の階級者であれば、警視庁では課長クラス、小規模の警察署であれば署長クラスとなるなど、同じ階級でも組織の規模によってあてがわれる役職は変わってきます。

昇進するには

キャリア組ではないノンキャリア採用の場合、全ての警察官は巡査からのスタートになります。

それぞれ1つ上の階級に昇級するためには、1次試験から3次試験まである昇任試験に合格しなければなりません。

また、試験自体も簡単なものではなく、相応の対策をしておかないと合格は不可能なレベルで、一番最初の巡査から巡査部長への昇進試験でも約20倍の競争率と結構な難関試験となっています。

巡査から昇任試験を経た出世を望まずに、巡査長のまま定年を迎える人が少なくないのも、うなづけるレベルの試験です。

昇任試験を受験するために必要な実務経験

大学卒
警視長 選考
警視正 選考
警視 警部の実務経験6年以上
警部 警部補の実務経験4年以上
警部補 巡査部長の実務経験1年以上
巡査部長 巡査としての実務経験1年以上

 

高校卒
警視長 選考
警視正 選考
警視 警部の実務経験6年以上
警部 警部補の実務経験4年以上
警部補 巡査部長の実務経験3年以上
巡査部長 巡査としての実務経験4年以上

昇任試験に必要な実務経験は大学卒と高校卒で違いがあります。

巡査部長と警部補への昇給のみ大卒の方が数年優遇されていますが、警部以上になると必要な実務経験は同様に設定されています。

そのため、優秀な高卒警察官であれば、もたもたしている大卒警察官を追い抜いて出世していくことも可能です。

警察の場合、学歴でポジションが決まることは無く、階級によってその仕事内容・役職が決められます。

警察庁長官と警視総監のどちらが偉いのか?

結論から言うと警察庁長官です。

警察階級としては警視総監がトップという事になりますが、警察庁長官は警察組織を統轄する長であり、警察階級に含まれていません。

しかし、当然ながら警察組織を纏める警察庁長官の方が位は上ということになります。

警視総監は警察のトップ階級ですが、立場上は都道府県組織である警視庁(東京都の警察)のトップに過ぎません。

また、どちらのポストも警察の「あがり」ポストとされ、警視総監が出世して警察庁長官になるようなことはありません。

警察庁長官、警視総監の務めを終えた後は、退職して大手企業の顧問や外部団体の役員などに就任することがほとんどです。

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