2021/11/092023/01/20Q&A

みかじめ料の意味や相場、拒否した場合の対応などを解説

暴力団の最大の定期収入である「みかじめ料」

その金額や徴収される業種、支払わなかった場合の嫌がらせなどその実態をリサーチいたしました。

 

みかじめ料とは

暴力団にはそれぞれ管轄する地区・地域があります。

その特定地域で商売を行う際に、場所代・用心棒代・許可料金・守料として徴収する金銭を「みかじめ料」といいます。
※ヤクザ用語で「カスリ」

一回でも支払ったら最後

あまりに押しが強いので「1回だけ」との約束で金を支払ったら最後、翌月も1回だけという名目で集金に来ます。

1度でも支払ってしまうと、永遠にこのループが続くことになるというヤクザの常套手段です。

元ヤクザ

ヤクザは「縁」を大事にします。
一度関係ができたら、後は何かにつけて要求が来るようになります。

みかじめ料は取れなくなってきている

2019年に暴力団排除条例が改正され、みかじめ料を受け取る方も支払った方もどちらも罰則対象となりました。

法律を盾に断ることができるようになり、付き合いを止める所が増えています。

暴力団にみかじめ料を支払ったとして、東京・大田区のキャバクラ店を経営する男性が2月中旬、都暴力団排除条例違反の疑いで、警視庁組織犯罪対策3課に逮捕された。

男性は2019年10月、経営する2つのキャバクラ店のみかじめ料として、稲川会系暴力団の幹部=逮捕=に現金10万円を支払った疑いが持たれている。

みかじめ料の相場

みかじめ料の相場は状況次第としかいえませんが、規模が大きいほど、非合法・裏の稼業ほどその金額は高くなります。

一般的な居酒屋・飲食店であれば1万円程度で、それほどの金額にはなりません。

闇カジノ・無許可風俗店など、法律の範囲外の業種ほど、より多くのみかじめ料を要求されます。

月額相場◆居酒屋・飲食店:1万円~3万円程度
◆キャバクラ店:5万円~
◆風俗店:5万円~
◆闇カジノ・闇パチンコ:数十万円~100万円以上
◆建設工事費 ※工事費の1%~3%(工藤会)

みかじめ料の徴収方法

みかじめ料の徴収には、2つの方法があります。

①月に~万円と直接徴収する方法

これは普通に現金で直接回収する方法です。
一般的な手法といえます。

②フロント企業と契約

暴力団の息のかかったフロント企業と契約を結ばせて、サービス提供料名目でみかじめ料を徴収します。

フロント企業・おしぼり提供会社
・観葉植物提供会社
・絵画、骨董品レンタル会社。
・清掃会社
・酒卸
・HP運営のレンタルサーバー業 など

定期的に必要になる商品、サービスを実際に提供し、割高な料金で店側に支払ってもらい、フロント企業から金を徴収する形をとります。

※からくり
本来なら観葉植物1つ、1ヶ月3000円だが、3万円で契約を結び提供する。
2万7000円が暴力団側の利益となる。

表向きは完全に正規取引のため、法律に違反することもありません。

また、店側も経費として処理できるため裏金を用意する必要がなく、お互いにとってリスクの少ない形になります。

③ビルの家賃に組み込む

繁華街ではお水系、風俗系しか入っていないビルも存在します。
そのようなビルの場合、ビルオーナーが家賃にみかじめ料を組み込んでおき、最終的にオーナーが一括して上納するケースもあります。

断った場合はどうなるのか

仮に指定されたみかじめ料を支払わず、拒否した場合はどうなるのか?

拒否した場合は、嫌がらせが行われたり、暴力行為で威嚇されたりと物理的な被害を与えられることが多いようです。

どんな嫌がらせが行われるのか

◆暴力・脅迫行為

・暴行を加えられる。
・家族に危害を加えると脅される。

◆嫌がらせ行為

・店を破壊される。
・悪い噂を立てられる。
・客として騒ぎ立てる。

◆業務妨害行為

・土木の入札に参加できないように手を回す。不祥事を通告する。
・店で飲食をしたら食中毒になったなどと通報する。

現在では嫌がらせは減少傾向

かつては上記のような行為が当たり前のように行われ、やむなくみかじめ料を支払っているケースも少なくありませんでした。

現在では法律の厳罰化や警察の尽力により、嫌がらせを受けるケースはかなり少なくなってきています。

また、嫌がらせを受けた場合は警察に通報すれば、即時に対応してくれる様に改善しています。
※暴力団との関係性が高いと判断された場合、通常のいたずらとは異なる圧力で対応してくれます。

徴収の対象

みかじめ料が要求されやすい対象は以下のとおりです。
やはり、夜の商売や水商売系が多くなります。

◆飲食店
◆居酒屋
◆バー
◆ホストクラブ
◆スカウト会社
◆スナック
◆キャバクラ
◆クラブ
◆ソープランド
◆パチンコ店
◆ゲームセンター
◆麻雀店

みかじめ料が絶対に必要な業種

警察の取締強化、法律の制定により「みかじめ料」の支払いを拒めるケースが増えてきてはいますが、絶対に支払いが必要な業種もあります。

それは裏の商売です。

暴力団の縄張り内で裏の業種、

裏の業種◆闇カジノ
◆闇パチンコ店
◆違法風俗
◆ぼったくりバー など

などの商売をするなら、暴力団へのみかじめ料、上納金は必須となります。

なぜ必須なのか

まず、誰かが縄張り内で断りもなく闇パチンコ店を営業していたとします。

その事が知られると管轄の暴力団は、すぐに店を攻撃に行きます。
攻撃の方法としては

・店を破壊して営業できなくする。
・タタキと呼ばれる強盗にはいる。
・警察にタレコミを入れて逮捕させる。

もともと違法行為を行っている闇パチンコ店ですから強盗に入られようと、店を潰されようとも警察に助けを求める事はできないため、泣き寝入りしかありません。

裏の業界は「警察」という手段が使用できないため、攻撃された場合は自身で対応する以外に選択肢が無いのです。

暴力団と対峙することは暴力団か警察以外は現実問題として不可能です。
そのため、事をうまく運べるようにみかじめ料、上納金を支払い、穏便に済ませる手法を裏稼業の人は選択することになります。

元ヤクザ

裏稼業の人間は絶対に守り代を支払います。
支払わない場合は速攻で襲撃されて終わり。
そもそも違法事業をしようとする人間であれば、絶対に暴力団とのつながりがあるはずです。

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