一般とは大きくかけ離れた世界である「ヤクザ業界」
一般社会同様にヤクザにも役職があり、親分や若頭、舎弟頭など組内部では明確な序列が設定され、経験を積む毎に出世していきます。
ただ、サラリーマンのように年功序列で役職が決まること無く、ほとんど実力主義に近いシステムになっています。
そんなヤクザの出世システムについて解説していきます。
ヤクザはどうすれば出世できるのか
ヤクザはどうすれば出世できるのか?
大きく分けると2つの出世ルートがあります。
①抗争で相手幹部を殺傷するなど手柄をあげる
暴対法が施行される以前は、日常的に抗争が勃発していたこともあり、手柄を挙げた組員が出世していくこともありました。
それこそ、下っ端の組員が敵対する組長を殺傷した際には、刑務所出所後に幹部待遇で厚遇する組があったほどです。
しかし、現在では敵対する人物を殺してしまった場合、組長が使用者責任に問われたり、無期懲役クラスの長期刑になることもあるため、どの組も抗争は極力避けるようになっています。
そのため、現在では抗争の功績で出世するケースはかなり少なくなっています。
暴力こそがヤクザの本質であるわけですが、時代とともにそのあり方も変容しています。
②多額の上納金を親分に納める
上納金による締め付けが六代目山口組分裂の原因となったように、現在のヤクザは金が全ての基準になっています。
シノギのうまいヤクザであれば、上納金を積み上げることで、どこまででも出世する事が可能です。
自身の親分の親分に多額の上納金を納めることで、自身が親子盃を交わした親分と同格に出世していくことも可能です。
擬似親子制度を否定するような扱いですが、それだけ金による評価が蔓延していると言うことなのでしょう。
学歴は関係あるのか
学歴は全く関係ありません。
中卒や高卒が大多数を占める業界だけに、大卒であれば出世しそうなイメージがありますが、実際には学歴は一切の意味を持ちません。
出世するヤクザはどういう人物なのか
出世していくヤクザはシノギがうまく、人望の厚い人物です。
わかりやすく言うと、金銭的に余裕を持つ配下の組員から慕われている人物です。
金銭的な余裕が無いと出世することはできません。
そして、金のあるところほど配下の組員が集まってくる傾向にあります。
仁義や任侠といった硬派なイメージのあるヤクザですが、結局の所は先立つものがない人は誰からの支持も得られないのです。
多額の上納金を上納
評価が上がり出世
配下の組員が増える
配下の組員から上納金が増える
更に裕福に
更に多額の上納金を上納
更に出世
上記のように、金を稼げるヤクザほど地位が上がり、舎弟が増えていく仕組みになっています。
金を稼ぐ才覚のない者は、いつまでたっても使いっぱしりのままヤクザ人生を過ごすことになります。
現在の業界ではカネがすべてで、喧嘩がいくら強くても何の得にもなりません。
むしろ喧嘩を如何に避けてのし上がるかが重要であったりもします。
富めるものは更に富んでいく、ヤクザは無常の世界です。
役職が上がった場合の関係性はどうなるのか?
自分の〇〇組長を超えて上部団体の役職についた場合は、元にいた〇〇組長に盃を返して新たに上部団体の☓☓組長から盃をもらいます。
かつての上司が部下になり元の〇〇組長との関係は難しくなりますが、立場(座布団)が上になった場合は上司としての対応に切り替わる事が多いようです。
※〇〇組長に上役として指揮・命令をすることもある。関係性・状況次第。